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MEDINFO2017参加レポート » History » Version 1

KOBAYASHI Shinji, 08/29/2017 03:20 PM

1 1 KOBAYASHI Shinji
# MEDINFO2017参加レポート
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2017年8月21日から25日まで中国浙江省杭州市にて開催された[MEDINFO2017](http://medinfo2017.medmeeting.org/en)に参加してきました。openEHRに関連する話題をまとめます。
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## 8月20日(日)openEHR Chinese Localization and International Collaboration Workshop
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8時30分にホテルに送迎のタクシーが到着し、浙江大学へと向かった。浙江大学の会議室が現在工事中とのことで、近接するホテルの会議室を借りての会議となった。参加者は主催者である浙江大学呂旭東教授を初めとして、中国ZTE社や杭州中央病院、解放軍病院といった企業、病院から参加した中国側参加者と、オーストラリア、イギリス、そして日本からの参加者を含めて30名程度での会議であった。
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まず、呂旭東からopenEHRについての中国の現状について紹介された。浙江大学では、臨床データリポジトリをopenEHRベースで構築しており、2年前にサンパウロで開催されたMEDINFOでの発表内容に加えて、APIの整備既にZTE社を含めた3社が実装を行っており、地方自治体を巻き込んだスマートシティ計画でも応用が進められているとのこと。浙江大学を中心にこの3社がopenEHRの中国国内での普及活動を行っている。中国の活動方針として明確に"Implementation Driven"というフレーズが示されているのが象徴的であった。Archetypeの格納について既存のいくつかの実装の比較を行った上で、中国での実装方針と、独自のチューニング結果についても示された。
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コミュニティとしての活動について話題が移ったところで、日本から友好の印としてopenEHR JapanのTシャツを贈与した。
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実装を優先に取り組んでいる中国の活動とそのペースの速さには驚かされるものがあった。予定の時間を遥かに過ぎて議論が行われ、呂教授主催で昼食会が催された。杭州の名産を中心とした中華料理が振る舞われたが、夕食も準備しておくのでセーブしておくようにと言われた。
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昼食後に、呂教授の研究室に案内され、開発中のプロダクトについて説明が行われた。日本光電との共同開発で行われた生体モニタシステムに始まり、openEHRベースでの臨床データリポジトリについての説明がなされた。アーキタイプは独自に中国語への翻訳がなされており、クエリーについてもいくつかの工夫がなされていた。
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浙江大学は西湖のほとりに位置しており、研究室から呂教授の車などに分乗して西湖観光につれていっていただいた。あまり一般的には公開されていない西湖一周コースを参加者で楽しんだ。
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夕食からはニュージーランドからKoray Atalag氏とその家族が合流した。西湖のほとりの船着き場近くのこじんまりとしたレストランでの食事は素晴らしいものであり、茅台酒も振る舞われた。中国流のマナーに乗っ取り、各自があいさつのあとでグラスに茅台酒やビールをついで「乾杯(カンペイ)!」を執り行った。
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## 8月23日 Workshop: openEHR Clinical Modeling and Data Standardization
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openEHRの臨床情報モデル設計とそれによる標準化について、Ian McNicol, Heather LeslieがopenEHRの臨床情報モデル設計とそのガバナンスについて解説を行った。その後で、openEHRのローカライズについて全体としての取り組みと日本でのローカライズ活動について、私小林が紹介した。最後に呂旭東教授が中国での取り組みについて解説された。
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この夕方にも呂教授を招いての夕食会が行われた。
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## 8月24日 Workshop: The openEHR developers' workshop
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openEHRの開発者を主体としたWorkshopで、Ian McNicolがopenEHRの全体像を解説し、その後で私小林が現在公開されているopenEHRのFLOSS実装について紹介した。現在は公開停止となっているOpereffaが多くのソフトウェアに影響を与えたことや、EtherCIS, Cabolabs EHR Serverの2つが現在勢いがあることについて紹介した。Koray Atalagが研究用途開発したニュージーランドのEHRサーバについて紹介した。Christian ChivalleyがEtherCISの紹介と、openEHRのデータをどのようにデータベースに格納するのがよいかという問題を提起した。
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フロアから、public healthについてのアーキタイプはいつ開発されるのかという質問があり、出席していたHeather LeslieがopenEHRはボランティアベースなので明確な計画があまりないという説明がなされた。私から日本も同じような問題があるので共同研究の課題としたいと申しいれを行った。
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## 8月25日 Workshop: Clinical information model patterns – the complexity of health record requirements
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Ian McNicol, Hildegarde Franke, Heather Leslieが登壇し、臨床情報モデルをアーキタイプとして設計する上の課題や、再利用しやすいパターンについての検討が行われた。Ian McNicolが否定表現、二重否定表現について記録することが難しいこと、イギリスでの10万人のゲノムコホートでの事例などが紹介された。Heather Leslieからは現在のopenEHR CKMが各国で利用されていること、それぞれのプロジェクトごとで利用されていることについての紹介が行われた。
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## まとめ
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全体を通じて、中国側の歓待とopenEHRへの取り組みが非常に身にしみるほどありがたかった。実装についての取り組みに重点を置くという方法は明確であり、日本でのopenEHR普及について参考になるところも多かった。しかし、臨床情報モデルの設計などはある意味で実装よりも難しいところがあるため、そちらについても今まで以上に力を入れていくべきであると感じた。